梅雨に入り、台風や雨の日が続いたため、現場へ出られない日は自社工場で石の切削や研磨を進めました。今回は、純国産大島石のお墓を建立する全3回の工事のうち、2回目となる外柵基礎石と御影石納骨室の施工です。
外柵基礎石には茨城県産稲田石を使用し、自社工場で加工しました。この記事では、稲田石の研磨、工場での事前接着、ステンレス金具による連結、墓地での据え付け、一枚石の御影石納骨室を施工するまでの工程を写真と動画で紹介します。
茨城県産稲田石の外柵基礎石を自社工場で加工します
髙木石材では、国産石を使う場合は、日本国内で加工した純国産の石材をご提案しています。今回の外柵基礎石に使用する茨城県産稲田石も、自社工場で石の寸法を確認しながら、切削・研磨・接着を行いました。
外国産石材についても、石の特徴・加工地・価格の違いをご説明したうえで、お客様のご希望やご予算に合わせてご提案しています。
大型研磨機で稲田石の広い面を磨きます
動画は、自社工場の大型研磨機で石材の広い面を磨いている様子です。同時期に複数のお墓の石材を加工しているため、動画の石材は今回のお客様の外柵基礎石ではありませんが、同じような工程で加工します。
研磨する面の状態を確認しながら、砥石の粗さを段階的に変えて磨き、石本来の色と石目を引き出します。
小面は手動研磨機を使って仕上げます

小面とは、石材の側面にある幅の狭い部分です。大型研磨機で磨きにくい小面は、手動研磨機を使って一面ずつ仕上げます。
手動研磨機で対応できない大きさや形状の場合は、手持ちのポリッシャーを使用します。石の大きさや加工する面に合わせて機械を使い分け、全体の光沢がそろうように仕上げます。
外柵基礎石を自社工場で事前に接着します

加工が完了した外柵基礎石は、墓地へ運ぶ前に自社工場で仮組みし、寸法・直角・接合部分を確認してから接着します。
工場で事前に接着することにより、墓地で一つずつ組む施工では仕上げにくい底面にも目地を施工できます。また、石材が安定した状態で金具を取り付けられることも利点です。

外柵基礎石の接合部分は、接着剤だけに頼らずステンレス金具でも連結します。金具はトルクレンチを使い、締め付ける力を管理しながら固定しています。
外柵基礎石を選ぶときに確認したいポイント
- 使用する石の産地と石種が明確になっているか
- 石材をどこで加工しているか
- 外柵基礎石の接合部分が金具で連結されているか
- 金具にさびにくいステンレスが使われているか
- 接着面へ水が入りにくいように目地が施工されているか
- 基礎コンクリートの上へ水平に据え付けられているか
- 納骨室の構造と水はけが考えられているか
外柵基礎石の接合部分や固定金具は、完成すると見えにくくなります。墓石を購入するときは、使用する石の種類や価格だけでなく、接着方法や金具による補強についても確認することをおすすめします。
瑞穂市穂積霊園で稲田石の外柵基礎石を施工します

1回目の工事で、地盤を締め固め、4本の鋼管杭と鉄筋を使った基礎コンクリートを施工しました。今回は、この基礎コンクリートの上に、強化モルタルを使って茨城県産稲田石の外柵基礎石を据え付けます。
1回目の工事|鋼管杭と鉄筋を使った基礎コンクリート

モルタル接着剤を塗布します

基礎コンクリートと強化モルタルを密着させるため、モルタル接着剤を塗布します。写真に写っている白い液体がモルタル接着剤です。
塗布直後は白色ですが、乾燥すると透明になり、施工できる状態になります。気温や湿度によって乾燥時間が変わるため、表面の状態を確認してから次の工程へ進みます。
小型クレーンで外柵基礎石を据え付けます

工場で事前に接着した外柵基礎石は、人の手だけでは安全に動かせない重さになります。そのため、小型クレーンを使用して慎重に基礎コンクリートの上へ据え付けます。
穂積霊園は墓所までの通路が比較的広く、小型クレーンで石材を運搬できました。墓地によって通路の幅や段差、周囲のお墓との間隔が異なるため、工事前に搬入経路を確認することも大切です。
外柵基礎石の底面にも目地を施工します

外柵基礎石を工場で一体になるように事前接着しているため、墓地で据え付ける際に底面にも目地を施工できます。接着面へ水・空気・光が入りにくいように仕上げ、接着剤の経年劣化をできるだけ抑えます。
石を墓地で一つずつ組み立てる方法では、据え付け後に底面へ目地を入れることが難しい場合があります。事前接着には、完成後には見えない底面まで確認して仕上げられる利点があります。

水平器を使って水平を確認し、墓所の基準となる位置から寸法を測ります。前後左右の位置と対角寸法も確認し、外柵基礎石を正確な位置へ調整します。
一枚石の御影石納骨室を据え付けます

一枚石で作った御影石納骨室も重量があるため、小型クレーンを使用して据え付けます。外柵基礎石との隙間は約1cmになるように製作しているため、石同士を接触させないように位置を確認しながら慎重に下ろします。
納骨室を一枚石で作ることにより、複数の石を組み合わせる納骨室と比べて接合部分を少なくできます。ただし、一枚石であっても納骨室内の水はけや換気を考えて施工することが重要です。
納骨室の四つ角をコンクリートで補強します

一枚石の御影石納骨室を所定の位置へ据え付けた後、四つ角へコンクリートを入れて補強します。バイブレーターで振動を与え、コンクリート内の余分な空気を抜きながら、角や金具の周囲までコンクリートが行き渡るように締め固めます。
固定金具には、さびにくいステンレスを使用しています。髙木石材では金具による連結に加え、納骨室の位置を安定させるため、四つ角をコンクリートで補強しています。
稲田石の外柵基礎石と御影石納骨室が完成しました

周囲と目地を仕上げ、茨城県産稲田石の外柵基礎石と、一枚石の御影石納骨室の施工が完了しました。
施工後は、コンクリートの急激な乾燥や雨の影響をできるだけ抑えるため、シートで覆って養生します。写真は曇りの日の正午頃に撮影したため、実際よりも全体が暗く写っています。
今回の外柵基礎石・納骨室工事の内容
- 施工場所:岐阜県瑞穂市・穂積霊園
- 外柵基礎石:茨城県産稲田石
- 加工:髙木石材の自社工場
- 外柵の固定:事前接着・ステンレス金具による連結
- 据え付け:強化モルタル・モルタル接着剤を使用
- 納骨室:一枚石の御影石納骨室
- 納骨室の補強:ステンレス金具と四つ角のコンクリート
岐阜で墓石の建立を検討されている方へ
墓石を購入するときは、完成した墓石の形や価格だけでなく、外柵基礎石の加工方法・接着方法・固定金具・納骨室の構造なども確認することが大切です。
髙木石材では、完成すると見えなくなる部分も工事写真に残し、お客様に施工内容を確認していただけるようにしています。
墓石建立の進め方、墓石の価格を左右する条件、石の選び方、地震対策、完成後の保証については、次のページで詳しく解説しています。

次回は、御影石納骨室の上に四ツ石を据え付け、文字や思い出の図柄を彫刻した純国産大島石のお墓を建立します。

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